「どのような手法が適しているかわからない」「調査はどのような流れで進めるべきだろう」
アンケートを実施するにあたり、悩むことはありませんか?
手法や設計を誤ると、せっかく集めた回答データが施策に活かせず、調査自体がムダになりかねません。
そこでこの記事では、アンケート調査の代表的な手法や、調査をスムーズに進めるための6つのステップ、回答率を高めるためのポイントまでをわかりやすく解説します。
初めてアンケートを実施する方でも全体像をつかめる内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください。
アンケートを実施しても、回答者が集まらないと意味がありません。
回答率を上げ質の高い回答を得るためには、設問設計や依頼文が大切です。
以下の資料では、回答率を高めるための設問設計のポイントや、すぐに使える依頼文の例を具体的に紹介しています。
さらに、回答のお礼としておすすめの品など、初めてアンケート調査をおこなう方でも失敗しにくい実践的なノウハウにも触れています。
これからアンケートを実施する予定の方は、ぜひご活用ください。
目次 []

アンケート調査の2種類の手法
アンケート調査の手法には、大きく分けて定量調査と定性調査の2種類があります。
それぞれ得られるデータの性質が異なるため、調査の目的に応じた使い分けが重要です。
ここではそれぞれの調査手法について解説します。
定量調査は、購入者数やリピート率、設問に対する「はい・いいえ」の回答数など、数値として表せるデータを集める調査方法です。
選択式の設問を中心に、より多くの人の意見を同じ条件で収集したい場合や、ニーズを把握するために仮説を数値で検証したい場合などに用いられます。
調査結果をグラフや表にまとめやすく、比較や分析がしやすい点も特徴です。
例えば、「新商品のターゲット層がどの年代に多いかを把握したい」「サービスの満足度を数値で可視化して改善の優先順位をつけたい」といった、傾向や割合を客観的なデータでとらえたい場面に適しています。
定量調査の例
定性調査は、商品に対する詳しい意見や具体的なエピソードなど、数値だけでは表せない内容を把握するための調査方法です。
回答内容だけでなく、話し方や反応、行動なども調査対象となるため、潜在的なニーズや課題が見えてくる場合があります。
詳しく話を聞くことで、意図していなかった発見や改善のヒントが見つかる点も特徴です。
例えば、「リニューアルした商品の使い勝手について率直な感想を聞きたい」「解約理由の背景にある不満や期待を深掘りしたい」といった、数値だけでは見えない理由や感情を掘り下げたい場面に適しています。
定性調査の例
アンケート調査は、やみくもに実施しても成果につながりにくいため、正しい流れで進めることが重要です。
次の章では、アンケート実施を決めてから終了後までの流れを、6つのステップに分けて解説します。

アンケート調査の流れ
ここではアンケートをとることを決めてから、アンケート終了後までの流れをお伝えします。
やるべきことをステップごとに解説しますので、参考にしてください。
最初におこなうべきなのは、アンケートのゴールと目的を明確にすることです。
ゴールは最終的に達成したい状態を指し、目的はそのゴールを達成するためにアンケートで把握したい内容を指します。
アンケートのゴールと目的の設定例
このように整理しておくことで、何を聞けばゴールに近づけるかが明確になり、質問内容の方向性が定まりやすくなります。
何を知るためにアンケートを実施するのか、また得られた回答をどのように活用するのかが曖昧なままだと、集計しても結果を活かせません。
「アンケートを実施したけれど意味がなかった」とならないよう、最初にしっかり言語化しておくことが大切です。
アンケートのゴールと目的が決まったら、次におこなうのが対象者の設定です。
誰に聞くかによって、得られる回答の内容や質は大きく変わります。
対象者が定まっていないままアンケートを実施すると、回答内容がばらつき、改善につながる具体的な課題やヒントが見えにくくなってしまいます。
例えば、ステップ1で挙げた「ゴール:顧客満足度の向上、目的:ユーザーが感じている不満点の把握」という例で考えてみましょう。
この場合、まずは「どのユーザーから不満を集めるべきか」を決める必要があります。
不満の内容が変わりやすい代表的なユーザー区分は、次のとおりです。
アンケートの対象者例
誰に聞くかを先に決めると、どのような不満を知りたいのかも明確になります。
アンケートの対象者が決まったら、次は実施方法や期間を具体的に決めます。
この段階で決めておきたい主なポイントは、次のとおりです。
実施方法を選ぶ際は、運営側が管理しやすい方法ではなく、回答者が答えやすい方法を基準に考えましょう。
忙しい層であればWebアンケートのほうが回答しやすい場合が多く、デジタル機器に慣れていない場合などは、紙のアンケートのほうが回答しやすいこともあります。
また、実施期間の設定も重要です。不満点を把握したい場合、回答が十分に集まらないと改善の方向性が定まりにくくなります。
必要な回答数が見込める期間になっているか、締切が短すぎないかをあらかじめ確認しておきましょう。
例えば、前述の「利用をやめた(解約した)人」を対象にアンケートを実施する場合を考えると、以下になります。
「利用をやめた(解約した)人」を対象にアンケートを実施する例
すでにサービスから離れている相手のため、回答へのハードルをできるだけ下げる。
実施方法:解約直後にメールでWebアンケートを送付
実施時期:記憶が薄れる前に、解約から1~2週間以内が目安
設問のボリューム:5問以内・所要時間3分程度に収める
回答数の確保:回収率が見込みにくい場合は、クーポンやギフトカードなどの特典を用意するのも有効
ステップ1で設定した目的を、具体的な質問へ落とし込み調査票を作成します。
「ゴール:顧客満足度を向上させたい、目的:ユーザーが感じている不満点を把握したい」という場合は、「どこで・どのような不満が生じているのか」がわかる質問を用意しましょう。
まずは、ユーザーが商品やサービスを利用する流れを思い浮かべ、不満が出やすい場面を整理します。
購入前・購入時・利用中・サポート対応など、利用シーンごとに分けて考えると、設問を組み立てやすくなります。
質問形式は、全体の傾向を把握しやすい選択式や尺度評価を中心にし、不満の理由を深掘りしたい部分だけ自由記述を取り入れるのがおすすめです。
自由記述が多すぎると回答者の負担が大きくなり、途中離脱につながる可能性があるからです。
例えば、前述の「利用をやめた(解約した)人」に対して不満点を把握したい場合、調査票は次のように設計できます。
解約者向け:調査票の設計例
利用シーンごとに不満が出やすいポイントを押さえ、選択式を中心に構成。
Q1(選択式):サービスの利用をやめた主な理由を教えてください(価格/機能の不足/サポート対応/他社への乗り換え/その他)
Q2(尺度評価):利用期間中、以下の各項目にどの程度満足していましたか?(導入時の案内/機能・使いやすさ/サポート対応/コストパフォーマンス)
Q3(選択式):特に不満を感じた場面はいつですか?(導入直後/日常的な利用中/問い合わせ時/契約更新時)
Q4(尺度評価):改善されていれば継続していた可能性はありますか?(5段階)
Q5(自由記述):改善してほしかった点があれば、具体的に教えてください
自由記述はQ5の1問のみに絞り、回答者の負担を抑えています。
Q1~Q4の選択式で全体の傾向をつかみ、Q5で背景を深掘りする構成です。
なお、調査設計の進め方や設問の作り方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
アンケートの回答が集まったら、調査結果を集計し、目的に沿って整理しましょう。
ステップ1の例「ゴール:顧客満足度を向上させたい、目的:ユーザーが感じている不満点を把握したい」で考えると、次の内容が把握できるようにまとめます。
評価の結果は、グラフや表にして傾向が一目でわかるようにしましょう。
自由記述の回答がある場合は、内容を似たテーマごとに分類するのがおすすめです。
どの不満から先に改善するかを整理しておくことで、顧客満足度の向上につながる具体的なアクションを検討しやすくなります。
前述の「利用をやめた(解約した)人」の結果をまとめた例が以下です。
解約者アンケート:集計結果の整理イメージ
Q1(解約理由):「価格」が42%で最多 → 最も多い離脱要因を特定
Q2(各項目の満足度):「サポート対応」が平均2.1と最低 → 満足度が下がっているポイントを可視化
Q3(不満を感じた場面):「問い合わせ時」が58% → 不満が集中する場面を特定
Q4(改善されれば継続していたか):「そう思う」「ややそう思う」が合計67% → 改善による引き止め余地を把握
Q5(自由記述):「返信が遅い」「たらい回しにされた」など → サポート対応の具体的な課題を分類
これらを踏まえると、「サポート対応の改善」が最優先の改善テーマとして浮かび上がります。
アンケート後は、回答者にお礼のメールやお礼状を送ることで、企業への好感度向上にもつなげられます。
アンケート回答者へのお礼方法については、こちらの記事をご覧ください。
最後に、アンケート調査全体の振り返りをおこないましょう。
例えば、今回の例であれば、「ユーザーの不満点を十分に把握できたか」「改善に活かせる情報が集まったか」を確認することがポイントです。
もし回答数が少なかった場合は、対象者の設定や実施方法に無理がなかったかを見直します。
「質問がわかりにくかった」「自由記述が多くて回答しづらかった」など、調査票に関する反省点も整理しておきましょう。
アンケートの実施中に気付いた点は、担当者間で共有できるよう記録に残しておくと、次回の改善に活かしやすくなります。
こうした振り返りを繰り返すことで、アンケートの精度が高まり、より質の高い回答を集められるようになります。
アンケート結果の集計・分析方法については、こちらの記事をご覧ください。
ここまで、アンケート調査の進め方や実施の流れについて解説してきました。
一方、アンケートで使う形式によって、得られる回答の内容や分析のしやすさは大きく変わります。
次の章では、代表的な3つの形式を説明します。

アンケートの質問・回答形式
アンケートで使われる質問・回答形式は、大きく分けて次の3つです。
3つの形式の特徴を以下の表にまとめました。
| 形式 | 特徴 | 向いている目的 |
|---|---|---|
| 選択式 (単一・複数) |
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| 自由記述式 |
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| 尺度評価 |
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アンケートでは、これらの形式を目的に応じて使い分けたり、組み合わせたりすることが重要です。
例えば、選択式で全体の傾向を把握し、必要に応じて自由記述や尺度評価を加えることで、調査結果をより実務に活かしやすくなります。
アンケートの質問・回答形式が決まったら、次に考えるべきなのが「どのように回答を集めるか」です。
次の章では、アンケートの調査結果を回収する代表的な5つの方法を紹介します。

アンケートの調査結果を回収する5つの方法
アンケートの調査結果を回収する方法は、大きく5つに分けられます。
それぞれの方法について、特徴や利点をみていきましょう。
Webアンケートは、インターネット上のフォームを利用して回答を集める方法です。
回答者の住所や電話番号といった個人情報がなくても良いため、より多くの人にアンケートの呼びかけができます。
アンケートの作成から集計、グラフ化までをオンラインで完結できるため、運営側の負担も比較的少なく済みます。
短期間で一定数の回答を集めたい場合に適した方法です。
設問書類を郵送し、アンケートに回答してもらう方法です。
商品・サービスの既存顧客など、すでに住所を知っている人を対象にアンケートを実施します。
必ずしもアンケート協力の同意を得て書類を郵送するわけではないため、回答が返送されてくる確率が低いことも考えられます。
回答者がアンケートへ答える負担を減らすには、郵送とインターネットどちらでも回答OKにするのがおすすめです。
設問書類にQRコードを記載し、アクセス先から回答できるといったインターネットと連携したやり方もあります。
街頭アンケートは、街中で通行人に声をかけ、その場で回答してもらう方法です。
特定のエリアや時間帯にいる人の意見を集めやすい点が特徴です。
回答数は多くなりにくいものの、直接コミュニケーションを取りながら質問できるため、その場で補足説明をしたり、反応を見ながら調査を進めたりできます。
訪問アンケートは、調査員が対象者のもとを訪問し、対面でアンケートを実施する方法です。
質問への回答を得るだけでなく、内容を補足しながら進めたり、状況を見ながら調査できたりします。
代表的な対面でおこなう調査の手法は、以下のとおりです。
これらの手法は、アンケートの回答だけでなく、背景や理由を深く理解したい場合に用いられます。
実施には手間やコストがかかるため、調査目的や対象者を絞っておこなうことが一般的です。
アンケートの対象者へ電話をかけて、電話口でアンケートを実施する方法です。
口頭で話すため、より深堀りした質問や詳しい回答を得られます。
電話をかけてその場で回答を得られるため、インターネットや郵送のように数日間の回答期間を設ける必要はありません。
難点としては、そもそも電話に出てもらえない可能性があることです。
電話に出てもらえた場合でも、不審に思われないよう、アンケートの趣旨や所要時間を最初にしっかり伝えるようにしましょう。
ここまで、アンケートの回収方法について説明してきました。
次の章では、アンケート調査の精度や回答率を高めるために押さえておきたいポイントを紹介します。
調査結果をより活用しやすくするために、実施前から意識しておきましょう。

アンケート調査を成功させるコツ
これらのコツを踏まえてアンケートを実施すれば、調査精度や回答数の向上につながります。
それぞれのコツをみていきましょう。
質問の数と順序は、回答者に負担がかからないか考えて決定しましょう。
質問の数が多すぎたり、アンケート冒頭で難しい質問を聞いたりすると、回答者は負担に感じやすいです。
「質問が多くて面倒」「内容が難しくて大変そう」などと回答者が感じてしまうと、アンケート回答率の低下につながります。
質問の数は最低限にしぼり、すぐに答えられそうな質問から聞くように設計しましょう。
アンケートは回答に迷うと回答率が下がりやすいため、思考停止で答えられる質問をしましょう。
アンケートの趣旨にもよりますが、特に定量調査では「意見を聞く」よりも「事実を尋ねる」設問がポイントです。
回答者に答えを考えさせず、提示した選択肢から事実を選んでもらうほうが気軽にアンケートに答えられます。
回答者に答えを考えさせない質問例
×:不満な点を教えてください
〇:不満な点を以下よりお選びください
「とりあえず聞いてみたけれど、どう集計していいかわからない」「結局、仮説を裏付けるデータにならなかった」といった事態を防ぐためにも、あらかじめデータの使い道を明確にしておきましょう。
質問を作る前に、「どのようなグラフを作りたいか」など、最終的なレポートの形をイメージしておくのもおすすめです。
NG例とOK例
NG例:とりあえず聞く場合
「サービスに不満はありましたか?」→「はい・いいえ」で集計
→「はい」が多いことはわかったが、どこを改善すべきかが判断できず、具体的な施策につなげられない
OK例:使い道を明確にして設計する場合
「どの場面で不満を感じたか」「改善されていれば継続したか」を掛け合わせたグラフを作ることを想定して、質問を設計
→「不満を感じた場面(選択式)」「各場面の満足度(尺度評価)」「改善されていれば継続していたか(尺度評価)」を掛け合わせたグラフを作ることを想定して、質問を設計
→結果として、不満が集中している場面と改善したときの効果の大きさが明確になり、優先的に取り組むべき施策を判断しやすくなる
調査後の活用方法をあらかじめ明確にしておくことで、選択肢の漏れや不要な質問を防ぎやすくなり、より精度の高い調査につながります。
自分たちでは問題ないと思っていても、第三者が回答すると「意味がわかりにくい」「選択肢に自分に当てはまるものがない」といった不備が見つかることがあります。
そのため、本番公開前には、同僚やターゲットに近い属性の人に実際に回答してもらうプレテストをおこなうのがおすすめです。
例えば、プレテスト実施時に「普段どのくらいアプリを利用しますか?」という質問に対して、以下のような声が出る場合があります。
このような場合は「1日あたりの平均利用時間は?」といった表現へ修正すると、質問の意図が伝わりやすいです。
誤字脱字のチェックだけでなく、実際に回答にどれくらい時間がかかるかを確認できるため、アンケートの所要時間の目安もより正確に設定できます。
アンケート協力をお願いする際にお礼があることを示しておくと、回答率アップが期待できます。
「どのようなお礼が良いだろう」と迷うと思いますが、モノやサービスなど直接的な利益となるお礼が喜ばれやすいです。
お礼の品としておすすめなのがデジタルギフトです。
デジタルギフトは電子クーポンや各種ポイントなどを、SNSやメールを通してプレゼントできます。
アンケート謝礼をデジタルギフトにするメリット
アンケートの設計や集計、謝礼の配布までをすべて自社で対応するのは、想像以上に手間がかかることがあります。
デジタルギフト「デジコ」では、謝礼の発注から配布までをすべてWeb上で完結でき、管理もスムーズにおこなえるのが魅力です。
デジコのサービス概要や、アンケート謝礼として活用するメリットをまとめた資料は、無料でダウンロードできます。
実際の活用イメージを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

アンケートは、目的に合った方法を選び回答者が負担なく答えられる設計にすることで、得られる結果の質が大きく変わります。
この記事で紹介した内容を押さえれば、アンケート調査の基本的な流れを把握することは可能です。
ただし、実際に進めると「設問の文言をどう書けばいいか」「依頼文でどこまで説明すべきか」など、細かな判断で手が止まる場面がでてくる可能性もあります。
そのようなときのために、デジコでは実務で迷いやすいポイントやすぐ使えるテンプレートをまとめた資料を作りました。
アンケートの準備をこれから始める方は、ぜひダウンロードして手元に置いておいてご活用ください。