「単純集計とクロス集計はどう使い分ければいい?」
「グラフは何を選べばいい?」
アンケート結果をまとめるときに、このように悩むことはないでしょうか。
まとめ方を間違えると、せっかく集めた回答も活かしきれず、誤った判断につながってしまうことがあるかもしれません。
逆に、集計方法やグラフの選び方を押さえておけば、データを次の商品展開やマーケティング施策に活かしやすくなります。
そこでこの記事では、アンケート結果をまとめる基本のステップに加え、集計方法、分析手法、グラフの選び方、報告書の作り方までわかりやすく解説します。
集めたアンケート結果を今後の施策に活かしたい方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも十分な回答が集まらなければ、データに偏りが出やすく、施策の判断材料として活かしにくくなります。
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目次 []

アンケート結果をまとめる際は、手当たり次第に始めるのではなく、手順に沿って進めましょう。
基本の流れは、以下の5ステップです。
| No | ステップ | 概要 |
|---|---|---|
| 1 | データを整理する | 回答データの誤りや欠損をチェックし、集計しやすい形に整える |
| 2 | 集計方法を選んで集計する | 単純集計・クロス集計・自由記述集計から目的に合う方法を選ぶ |
| 3 | 分析手法を選んで分析する | クラスター分析・アソシエーション分析・決定木分析などで深掘りする |
| 4 | グラフ・表で可視化する | 回答形式や見せたい内容に合うグラフを選び、視覚的にまとめる |
| 5 | 報告書としてまとめる | 調査の目的・概要・結果・所感を整理し、関係者に共有する |
アンケート結果は、「何がわかったのか」「次に何をすべきか」まで整理して、関係者が判断しやすい形にまとめましょう。
データを集めただけでは次の施策につながりにくく、関係者が動ける形にして初めて調査の価値が生まれるからです。
各ステップの具体的な進め方は、次の章から順に解説します。

アンケートの集計方法
アンケート結果を分析するためには、まずわかりやすく集計することが大切です。
集計方法を変えればさまざまな視点でデータを見ることができ、新たな発見にもつながります。
それでは、アンケート結果の3つの集計方法を紹介します。
単純集計はもっとも基本的な集計方法のひとつです。
「どのくらいの人数がその回答を選んだのか」「この回答を選んだのは全体の何パーセントか」を集計します。
例えば、新サービスについて150人にアンケートを実施した場合、「とても利用したい」と答えた人が21人であれば、以下のように人数と割合を併記します。
| 回答 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| とても利用したい | 21人 | 14% |
ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ツールで単純集計をおこなう場合は、COUNTIF関数を使うと便利です。
COUNTIF関数は、指定した範囲のなかから特定の条件に当てはまるセルの数を数える関数です。
回答件数が多い場合は、ピボットテーブルを使うと、関数を組まずに各選択肢の回答数を自動で整理できます。
クロス集計は、年齢・性別・居住地など複数の要素から回答結果を集計する方法です。
単純集計では全体の傾向を把握できますが、属性ごとの違いまでは見えにくい場合があります。
そこでクロス集計を使うと、「20代の満足度は高いのか」「男性と女性で回答傾向に違いはあるのか」など、より具体的な傾向を把握できます。
表計算ツールでクロス集計をおこなう場合は、COUNTIFS関数やピボットテーブルを使うと便利です。
COUNTIFS関数を使えば、「20代」かつ「女性」かつ「とても満足」と回答した人など、複数条件に当てはまる回答数を集計できます。
関数が苦手な場合は、属性や回答項目をドラッグして集計できるピボットテーブルを使うと、クロス集計表を作成しやすくなります。
自由記述集計は、回答者が文章で入力した意見・感想を整理する方法です。
自由記述は選択式の回答とは異なり、回答者によって表現がバラバラになります。
そのままでは傾向を把握しにくいため、似た意見を分類したり、よく出てくる言葉を抽出したりして整理します。
自由記述をまとめる方法は、以下のとおりです。
自由記述の集計は、回答を読んで分類コードに置き換えたり、専用ツールで解析したりすると集計の手間を軽減できます。
少量の自由記述であれば、以下のように表計算ツールでカテゴリ列を追加して分類する方法でも対応可能です。
<「商品のここが良かった」という設問を分類する場合>
| 回答例 | カテゴリ |
|---|---|
| 使いやすい | 使いやすさ |
| 操作が簡単 | 使いやすさ |
| 直感的にわかる | 使いやすさ |
| デザインが良い | デザイン |
| 見た目がオシャレ | デザイン |
このように似た回答をまとめることで、自由記述のなかに多い意見や改善点を把握しやすくなります。
一方、大量の自由記述を扱う場合は、テキストマイニング専用ツールを使うと効率的です。

さまざまな分析手法がありますが、ここではアンケート結果の分析で使われる代表的な手法を3つ紹介します。
アンケートの分析手法
3つの分析手法は、それぞれ得意な使い道が異なります。
顧客のグループ分けをしたいならクラスター分析、データ同士の関係性を見たいならアソシエーション分析、回答結果に影響する要素を整理したいなら決定木分析、というように目的に合わせて選びましょう。
それでは、一つずつ紹介します。
クラスター分析は、大きな集団のなかから、似ているもの同士を小さな集団にグループ分けして分析します。
顧客層の特性や、店舗の取り扱い商品構成などの分析に使いやすい手法です。

例えば、クラスター分析により、売れ筋商品が大きく次のように分類できることがわかったとします。
ここから店舗商品の構成を考えなおし、顧客の志向にあわせた品揃えで売上への貢献を目指すことも可能です。
アソシエーション分析は、複数のデータ間の関連を分析する手法です。
「Aのケースが起こったとき、Bという結果になりやすい」といったように、因果関係や関連性を導き出せます。

購買分析によく使われる手法であり、アメリカにおける事例では「おむつを買った人はビールを買う傾向がある」という分析があります。
この分析では、全体で見るとおむつやビールを買った人の割合は1%程度ですが、おむつを買った人のうち約80%がビールを購入していることがわかりました。
このことから「おむつを買うとビールも買う可能性が高い」と仮説を立てることができ、商品配置を工夫できます。
決定木分析は、ひとつの目的(回答結果)に対して関連の強い項目から順に分岐していく方法です。
分岐は2つまたは複数の要素を階層でつなげていくため、いろいろなデータが混在していても関連性が一目でわかりやすくなります。

アンケート結果からパターンや構造を抽出しやすくなり、ターゲットの選別や購入者・非購入者の予測などに活用できます。

集計や分析が終わったら、結果をグラフやチャートで可視化しましょう。
数字だけを並べても、関係者が結果を直感的に理解するのは難しいため、グラフを使い、回答傾向や比較結果を視覚的に伝えます。
ただし、どのグラフを使っても良いわけではありません。
設問タイプや見せたい内容に応じて適切なグラフを選ぶと、結果をわかりやすく伝えられます。
ここではアンケートでよく使われる7種類のグラフ・チャートを紹介します。

円グラフは、全体を100%として、各項目が占める割合を表すグラフです。
「全体のうち、どの選択肢がどれだけ選ばれたか」を直感的に把握できるため、複数の選択肢から1つを選んでもらう単一回答のアンケート結果をまとめるのに適しています。
ただし、項目数が多すぎると見づらくなるので、選択肢が5~6個以内のときに使うことをおすすめします。

棒グラフは、項目ごとの数値を棒の長さで表すグラフです。
データの大小を比較するのに適しており、複数回答のアンケート集計でよく使われます。
棒の長さで違いがわかるため、回答数や割合を比較したい場合に使いやすいグラフです。
このほか、クロス集計で年代別や地域別などの比較をしたいときにも活用できます。

帯グラフは、全体を100%として、内訳の構成比を表すグラフです。
全体を100%として表す点では円グラフと似ていますが、帯グラフは複数のグループを並べて比較できる点が特徴です。
例えば、男性・女性それぞれの満足度の構成比を比較したい場合、帯グラフを使うと違いが一目でわかります。

積み上げ棒グラフは、棒グラフのなかに複数の項目を積み重ねて表示するグラフです。
合計値と、その内訳を同時に比較できます。
帯グラフと似ていますが、以下のように使い分けるとわかりやすいです。
例えば、年代別の回答人数と、その内訳を同時に見せたい場合は、積み上げ棒グラフが適しています。

折れ線グラフは、以下のようにデータの推移を表すのに適したグラフです。
複数の要素を比較したい場合は、折れ線を複数引くことがあります。
ただし、線の数が多すぎると見づらくなるため、比較する線は3~4本程度までに絞るのが適切です。
それ以上の項目を比較したい場合は、グラフを分けるか、特に見せたい項目だけを強調しましょう。

レーダーチャートは、複数の評価項目を正多角形の形で表すグラフです。
グラフの読み方は、中心が0で外側にいくほど数値が大きくなるケースが多いです。
例えば、以下のような評価項目をまとめて見せる場合に使えます。
商品評価やサービス評価のアンケート結果を見せるときに活用しやすいグラフです。

散布図は、2つの要素の関係性を表すグラフです。
「満足度と再購入意欲」や「価格評価と総合満足度」のように、2つのデータに関連性があるかを見える化したいときに使います。
満足度が高い人ほど再購入意欲も高い傾向がある場合、施策の方向性を決める判断材料になります。
マーケティング施策や商品改善の仮説を立てるときに役立つグラフです。

集計・分析・可視化が終わったら、アンケート結果を報告書としてまとめます。
報告書は、調査結果を関係者に共有し、次の意思決定につなげるための重要なアウトプットです。
アンケート結果報告書には、最低限以下の5項目を記載しましょう。
| No | 項目 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 報告書のタイトル | 調査内容が一目でわかるタイトルを付ける(例:「20代女性向け新商品Aに関する満足度調査」) |
| 2 | 調査の趣旨・目的 | なぜこの調査をおこなったのか、何を明らかにしたいのかを記載 |
| 3 | 調査の概要 | 調査対象者・期間・方法・サンプル数などの基本情報を整理 |
| 4 | 集計結果(グラフとテキスト) | グラフや表を使って結果を可視化し、テキストで補足説明を加える |
| 5 | 調査結果に対する所感 | 結果から読み取れる傾向や考察、今後の提言を記載。客観的事実と所感を分けるのがポイント |
上記の5項目を押さえたうえで、報告書の書き方で特に迷いやすい3つのポイントを紹介します。
アンケート結果報告書では、客観的な事実と主観的な所感を明確に分けて記載しましょう。
客観的な事実とは、集計結果として確認できる数字や回答内容です。
一方、所感は結果から読み取れる考察や今後の提言のことを指します。
例えば、「満足度は一定以上あるものの、価格面への不満が購入継続の障壁になっている可能性がある」などの内容が該当します。
事実と所感が混在すると読み手に思わぬ誤解を与えてしまう可能性があるため、報告書では「集計結果」「考察」「今後の提案」のように見出しを分けて整理すると読みやすいです。
アンケート結果報告書では、結論を冒頭に置くのが基本です。
関係者が知りたいのは、細かい集計結果よりも先に「最終的に何が明らかになったのか」であるため、まずは以下のようなサマリーを入れましょう。
詳細な集計結果やグラフは、その後に配置すると、読み手は内容を理解しやすくなります。
前章で紹介したように、グラフにはそれぞれ得意な見せ方があるため、種類を統一する必要はありません。
報告書では、見た目をそろえることよりも、伝えたい内容が正確に伝わることを優先しましょう。
例えば、全体の割合を見せたい場合は円グラフ、複数項目を比較したい場合は棒グラフ、時系列の変化を見せたい場合は折れ線グラフが適しています。
なお、デジコで作成しているアンケート結果報告書は以下の記事で確認できます。
アンケート結果をどのように見せれば良いか迷う場合は、以下の記事を参考にしてください。

アンケートで集まったデータは、誰が見てもわかりやすいようにまとめておくと、次回以降の分析にも使いやすくなります。
ただし、集計の仕方によっては、結果の印象が実態とずれてしまうことがあります。
それぞれ詳しく解説します。
無回答とは、設問に対して回答が入力・選択されていない状態のことです。
以下のように単なる記入漏れとは限らず、その背景には回答者の意図や設問上の課題が隠れている場合があります。
無回答が発生する3つのタイプ
無回答を集計に含めるかどうかは、集計の目的に応じて判断しましょう。
全体の傾向を把握したい場合は、無回答も含めて集計すると、「あえて答えなかった人がどれだけいるか」も含めた回答者全体の反応を確認できます。
一方、属性別の傾向や回答内容を詳しく分析したい場合は、無回答を除外して集計するのがおすすめです。
回答した人だけを母数にすることで、各属性の傾向がより明確に見えるようになります。
無回答を集計でどう扱うかは目的に応じて判断しつつ、そもそも無回答を減らす設問設計の工夫も大切です。
無回答を減らす設問設計のポイント
ただし、無回答をなくしたいからといってすべての設問を必須にすると、回答者の負担が増え途中離脱につながる可能性があリます。
重要な設問だけを必須にするなど、回答しやすさとのバランスを考えて設定しましょう。
アンケート結果をまとめる際は、目的に応じて集計単位を使い分けることが大切です。
主な集計単位は、以下のとおりです。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 平均値 | データをすべて足した合計値を、データの数で割った値 |
| 中央値 | データを小さい順または大きい順に並べたとき、ちょうど真ん中にあたる値 |
| 度数 | その回答を選んだ人・当てはまる人の単純な数 |
| パーセント | 全体のうちその回答を選んだ人・当てはまる人の割合 |
例えば、年収アンケートで平均値だけをみると、一部の高収入者の影響を受け、実態より高く見えることがあります。
そこで、中央値もあわせて確認すると、回答者全体の実態に近い傾向を把握できるようになります。
調査結果を正しく読み解くためにも、平均値・中央値・度数・パーセントなどを目的に応じて使い分けましょう。
ここまで、アンケート結果のまとめ方や分析方法についてお伝えしました。
得られた回答結果を活用することは大切ですが、そもそも十分な回答数が集まらなければ、データに偏りが出やすく、施策の判断材料として活用しにくくなります。
回答数を集め、偏りの少ないデータを得るためには、アンケートの設計から運用まで工夫が必要です。
ここからは、アンケートの調査精度を高めるコツをみていきましょう。

アンケートの調査精度を高める3つのコツ
特にアンケートのお礼は、参加者のモチベーションに直結する重要なポイントです。
順に解説します。
充実したアンケート結果を得るには、設問設計が重要です。
設計がしっかりできていないと、知りたいことが聞けなかったり回答がうまく集まらなかったりします。
設計において重要なポイントは、以下のとおりです。
詳しいアンケート設計については、以下の記事で解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。
回答者の負担を減らすことで、アンケートにしっかりと答えてもらいやすくなります。
設問数が多かったり複雑な設問があったりすると、回答者は面倒に感じ、答えが雑になることもあります。
大切なのは、回答者が迷わず回答できる設問にすることです。
自由に意見を書いてもらう設問ばかりにすると回答の負担が大きくなるため、まずは選択式の設問を活用し、必要な箇所だけ自由記述を入れると答えてもらいやすくなります。
例えば、「商品について感じたことを教えてください」ではなく「商品に当てはまるものを以下よりお選びください」と質問すると、選択肢のなかから答えをピックアップするだけなので、回答者にとっては負担が少なく済みます。
その他の回答率を上げるコツは、以下の記事に詳しくまとめているので、あわせてご覧ください。
回答者が思考停止で回答できる設問にするほかにも、回答者の負担を減らすポイントはあります。
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アンケートは基本的に任意のため、回答者にとっては時間を取られるだけで答えるメリットがありません。
そのため、アンケートの結果報告やお礼を約束すると、アンケートへ協力する動機づけになります。
ただし、謝礼を用意する場合は、配布方法や管理の手間も考える必要があります。
現物のギフトを用意すると、購入・保管・梱包・郵送などの作業が発生し、回答者数が増えるほど担当者の負担も大きくなりやすいです。
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アンケート結果を活用するには、集まった回答を正しく整理し、わかりやすくまとめることが重要です。
まずは回答データを整え、記事で紹介したステップに沿って進めましょう。
そうすれば、集計・分析・報告書作成までの流れを整理しながら、効率よく結果をまとめられます。
アンケート結果を正確にまとめるには、十分な回答数と質の高い回答を集めることも欠かせません。
回答者の負担を減らした設問設計や、謝礼による動機づけを取り入れることで、回答率の向上が期待できます。
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