永年勤続表彰は、長年にわたって勤務した従業員の功労や貢献をたたえ、感謝を伝えるための制度です。
ただ、いざ制度の導入や見直しをしようとすると、対象となる勤続年数や贈答品の内容、予算など、検討すべきことが多くあります。
贈るものや支給方法によって税務上の取り扱いも異なるため、相場や課税・非課税の考え方を把握したうえで、自社の予算や従業員のニーズに合った制度を設計することが大切です。
本記事では、永年勤続表彰の基本や金額の相場、おすすめの贈答品6選、選び方、課税・非課税の考え方をわかりやすく解説します。
永年勤続表彰の対象者は年代も好みも幅広く、全員に喜ばれる品物を1つに決めるのは簡単ではありません。品物を用意する場合は、保管や配送の手間もかかります。
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永年勤続表彰とは、長年にわたって勤務した従業員の功労や貢献をたたえ、企業が表彰する制度です。
勤続表彰と永年勤続表彰に明確な違いはなく、どちらも勤続年数に応じて従業員を表彰する制度を指します。
永年勤続表彰は法律で義務付けられている制度ではないため、対象となる勤続年数や表彰内容などは企業が任意で設定できます。
制度を設ける際は、何年勤続した従業員を対象とするのか、どのような方法で功労をたたえるのかなどをあらかじめ決めておきましょう。
では、永年勤続表彰では、どの程度の金額を設定するのが良いのでしょうか。
次に、勤続年数別の相場をみていきましょう。

永年勤続表彰で贈る金品の金額に、一律の決まりはありません。
一般的な相場を参考にしながら、自社の予算や対象人数などに合わせて設定することが大切です。
株式会社産労総合研究所の調査では、勤続10年で57.9%、20年で75.5%、30年で72.4%の企業が表彰を実施しており、10年単位を節目とする企業が多くなっています。
また、同調査による勤続年数別の賞品価格は、以下のとおりです。

10年・20年・30年の節目における金額の目安は、以下のとおりです。
| 勤続年数 | 金額の目安 |
|---|---|
| 10年 | 36,068円 |
| 20年 | 74,917円 |
| 30年 | 131,767円 |
10年・20年・30年の節目をみると、勤続年数に応じて賞品価格も高くなっています。
ただし、この調査は2006年に実施されたものです。
金額をそのまま基準にするのではなく、一つの目安として参考にし、自社の予算や対象人数なども踏まえて設定しましょう。
金額の目安とあわせて検討したいのが、具体的に何を贈るかです。次の章では贈答品6選を紹介します。

永年勤続表彰で贈られるものは、記念品や金一封など、大きく6種類あります。
贈るものによって、従業員の喜ばれやすさや準備の手間、税務上の扱いが変わるので、それらを踏まえて選びましょう。
ここからは、それぞれの特徴を詳しく紹介します。
カタログギフトやデジタルギフトは、用意された選択肢のなかから、従業員自身が希望するものを選べるのが特徴です。
一律に同じ品物を贈る場合と比べて、年代や家族構成、ライフスタイルなどが異なる従業員の好みにも対応しやすくなります。
企業側が一人ひとりの好みに合わせて品物を選ぶ必要がないため、選定にかかる負担を抑えられる点もメリットです。
なかでもデジタルギフトはオンラインで配布できるものもあり、物品の保管や配送などの手間を軽減できます。
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商品券や旅行券は、従業員自身が利用先や使い方を選べることが特徴です。
商品券は、利用できる店舗やサービスの範囲内で、従業員自身が使い道を選べます。
一方、旅行券は、永年勤続の節目に旅行を楽しんでもらうきっかけになります。
旅行券を特別休暇と組み合わせることで、従業員が実際に旅行へ出かけやすい制度にできます。
金一封は、使い道が限定されないため、従業員が自分の希望に合わせて自由に使えるのがメリットです。
企業側も一人ひとりに合わせて品物を選定する必要がなく、準備の負担を抑えられます。
支給額は一律にするほか、勤続10年・20年・30年など、勤続年数に応じて設定することも可能です。
自社の制度や予算に合わせて金額を設定しましょう。
時計や文具、食器などの記念品は、永年勤続表彰を受けた思い出を形として残せるのが特徴です。
企業オリジナルの品物や名入れのアイテムを選べば、永年勤続表彰ならではの特別感も演出できます。
一方で、従業員によって年齢や趣味、ライフスタイルは異なるため、一律に同じ品物を贈ると好みに合わないこともあります。
記念品を選ぶ際は、価格だけでなく、実用性や従業員のニーズも考慮することが大切です。
社員向けの記念品選びについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
永年勤続の節目に、金品の代わりとして、または金品とあわせて特別休暇を付与するのも一つの選択肢です。
長年働いてきた従業員に自由に使える時間を提供でき、心身を休めたり、家族と過ごしたり、旅行に出かけたりする機会として活用してもらえます。
特別休暇は、旅行券や金一封などと組み合わせて付与することも可能です。
導入する際は、休暇の日数や取得期限、対象者、取得方法などを明確にしておきましょう。
制度を設けるだけでなく、対象者が実際に休暇を取得できる環境を整えることも大切です。
表彰状やトロフィー、表彰盾は、長年勤務した功績をたたえ、その証を形として残せるのが特徴です。
表彰状に勤続年数や感謝のメッセージを記載すれば、従業員へ長年の勤務に対する感謝を伝えられます。
表彰式を実施する場合にも取り入れやすく、トロフィーや表彰盾は永年勤続の記念として手元に残せます。
一方、表彰状やトロフィーは、金一封やギフトなどとは異なり、実用性を目的としたものではありません。
そのため、表彰状やトロフィーと、金一封やギフト、特別休暇などを組み合わせて贈るのも一つの方法です。
表彰内容だけでなく、社内表彰の制度設計から検討したい方はこちらの記事も参考にしてください。
では、永年勤続表彰の記念品は、どのような基準で選べば良いのでしょうか。
次に、選び方のポイントを紹介します。

永年勤続表彰の記念品は、従業員のニーズと企業側の運用負担を踏まえて選ぶことが大切です。
年代や家族構成、ライフスタイルによって従業員の好みは異なるため、一律に同じ品物を贈ってもニーズに合わないことがあります。
一方、一人ひとりの好みに合わせて品物を選ぶと、企業側の選定や準備にかかる負担が大きくなります。
そこで、幅広い従業員のニーズに応えたい場合に適しているのが、カタログギフトやデジタルギフトです。
企業側が一人ひとりに合わせて品物を選ぶ必要もないため、選定の負担を抑えやすい点もメリットです。
また、表彰状+デジタルギフトのように、それぞれの特徴を活かして組み合わせる方法もあります。
なお、贈るものや支給方法によって税務上の取り扱いは異なるため、課税・非課税の考え方については、次の章で詳しく解説します。

永年勤続表彰で贈答品を支給する場合、税務上の取り扱いは、何をどのように渡すかによって異なります。
国税庁では、永年勤続者に支給する記念品や旅行・観劇への招待について、以下の要件を満たす場合は給与として課税しなくても良いとしています。
参考:国税庁「No.2591 創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき」
一方で、支給するものや方法によっては、上記の要件を満たしていても給与として課税される場合があります。
永年勤続表彰の税務上の取り扱いを考える際に、押さえておきたい2つのポイントを詳しくみていきましょう。
永年勤続表彰の記念品に代えて現金を支給する場合は、その全額が給与として課税されます。
商品券を支給する場合も券面額の全額が課税対象となり、従業員が一定金額の範囲内で自由に記念品を選べる場合も、その記念品の価額が給与として課税されます。
これは、会社から支給された金銭を使って、従業員自身が品物を購入する場合と同様の効果があると考えられるためです。
そのため、カタログギフトやデジタルギフトも、同様に給与として課税されます。
ただし、課税されるからといって、永年勤続表彰の贈答品として利用できないわけではありません。
課税される形で支給する場合は、源泉徴収など必要な処理について事前に確認しておくことが大切です。
なお、旅行券については、支給後1年以内に旅行を実施するなど、一定の要件を満たす場合には課税しなくても差し支えないとされています。
具体的な税務上の取り扱いについては、経理・労務担当者と連携し、必要に応じて税理士などの専門家や税務署に確認しましょう。
参考:国税庁「No.2591 創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき」
記念品は1万円以下なら非課税という情報を目にすることがありますが、これは創業・増資・合併などを記念して支給する創業記念品等に関する要件です。
永年勤続表彰の記念品については、1万円以下といった具体的な金額基準は設けられていません。
国税庁では、勤続年数や地位などに照らして、社会一般的にみて相当な金額以内であることを非課税となる要件の一つとしています。
そのため、1万円以下なら非課税と一律に判断するのではなく、永年勤続表彰の要件に沿って判断することが大切です。
明確な金額の基準は示されていないため、具体的な税務上の取り扱いについては、税理士などの専門家や税務署に確認しましょう。
参考:国税庁「給与等に係る経済的利益」(所得税基本通達36-21、36-22)
税務上の取り扱いだけでなく、永年勤続表彰を実施する際には、制度設計や運用面でも押さえておきたいポイントがあります。

永年勤続表彰は、贈答品を決めるだけでなく、長く運用できる制度として設計することが大切です。
一度きりではなく継続して運用していく制度のため、対象者によって不公平感が生じないようにルールを明確にする必要があります。
企業側が無理なく続けられることと、従業員に喜んでもらえることの両方を意識して制度を設計しましょう。
社内表彰の賞品選びで失敗しないためのポイントや具体的な賞品例については、こちらの記事も参考にしてください。
ここまでのポイントを踏まえ、永年勤続表彰に適した贈答品についてみていきましょう。

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同調査で企業が福利厚生によって実現したいことを尋ねたところ、「社員の満足度向上」が1位となっています。
永年勤続表彰は、年代や家族構成、ライフスタイルなどが異なる幅広い従業員が対象です。
一人ひとりが自分に合ったものを選べるデジタルギフトなら、こうした幅広いニーズにも対応しやすくなります。
また、オンラインで完結するデジタルギフトには、従業員・企業側の双方に以下のような利点があります。
福利厚生におけるデジタルギフトの活用や、企業・従業員が感じているメリットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
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永年勤続表彰は、長年にわたって勤務した従業員の功労や貢献をたたえ、感謝を伝えるための制度です。
表彰する勤続年数や贈答品に決まりはないため、自社の予算や従業員のニーズ、税務上の取り扱いなどを踏まえて制度を設計しましょう。
なかでも、幅広い従業員のニーズに対応したい場合は、本人が希望するものを選べるデジタルギフトがおすすめです。
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