福利厚生は社員の働きやすさやモチベーションを向上させるため、企業にとって重要な制度です。
本記事では福利厚生について深く知るために「そもそも福利厚生とは何か」や福利厚生を充実させるメリット・デメリットをまとめました。
記事後半では、人気の福利厚生やユニークな福利厚生の事例もお伝えします。
福利厚生の全体像を簡単にわかりやすくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次 []
自社ならではの魅力的な制度や手当を検討し、社員のモチベーションアップに福利厚生を活用しましょう。
福利厚生とは、給与や賞与以外で社員が受け取る報酬・サポートのことです。
福利厚生の内容は非常に幅広く、健康保険といった法的な制度から、社員食堂などの企業が独自に取り入れる制度があります。
企業によって福利厚生の内容は違うため、労働者が職場を選ぶうえで注目する項目でもあります。
それでは、企業の福利厚生はなぜ重要視されるようになったのでしょうか。
福利厚生の始まりは、明治時代頃とされています。当時は文明開化の影響もあり、たくさんの労働者が必要とされた時代でした。
経営者はより多くの働き手を確保するために、賃金以外で労働者の暮らしをサポートする制度やシステムを整備しました。
「賃金は多くないが生活の面倒を見てもらえる」ということに労働者はメリットを感じ、人材確保につながったそうです。これが福利厚生の始まりとされています。
現在も少子高齢化にともない働き手不足の時代のため、より優秀な人材を確保・維持するには福利厚生が重要です。
福利厚生は「手当」「待遇」と混同されがちですが、厳密には以下のように使い分けられます。
「手当」は福利厚生のなかの一つであり、「待遇」は福利厚生や給与などを含めた言葉といえるでしょう。
法定福利厚生 | 法定外福利厚生 |
---|---|
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福利厚生にはさまざまな種類がありますが、大きく分けると2つに分類できます。それぞれの福利厚生について特徴をご紹介します。
法定福利厚生は、法律で企業に義務付けられている福利厚生です。法定福利厚生には主に6種類の制度があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
健康保険 | ケガ・病気によってかかる医療費や、収入減少の負担をサポートする医療保険制度 |
厚生年金保険 | 国民年金に上乗せして支払う年金保険制度 |
介護保険 | 介護が必要な人を相互扶助で支えていく保険制度 |
雇用保険 | 労働者の生活や雇用の安定を図るための保険制度 |
労災保険 | 業務中に病気・ケガをした場合に保障を受けられる保険制度 |
子ども・子育て拠出金 | 子育てや育児を支援する目的の制度 |
法定福利厚生は、社員が安定した生活や収入を得るために必要不可欠な制度です。
法人はもちろんのこと、従業員が一定数以上いる個人事業所などでも、法定福利厚生を導入する義務が生じます。
法定外福利厚生は、企業が独自に導入できる福利厚生です。法定外福利厚生を大きくテーマ別に分けると、以下の10種類があります。
種類 | 特徴 | 例 |
---|---|---|
財産形成 | 社員の財産形成をサポートする制度 | 財形貯蓄制度、社内預金制度など |
食事補助・健康管理 | 社員の栄養摂取や健康をサポートする制度 | 社員食堂、メンタルヘルスケアなど |
休暇 | 有給休暇以外で、休暇を与える制度 | リフレッシュ休暇、ボランティア休暇など |
余暇・レクリエーション | 社内の行事やイベントを楽しんでもらう制度 | 社員旅行、社内部活など |
自己啓発 | 社員の自己啓発のための費用を補助する制度 | 資格取得支援、本の購入費補助など |
慶弔・災害 | 慶事や弔事の際に休暇や手当を与える制度 | 慶弔見舞金制度、永年勤続表彰など |
住宅補助 | 社員の住まいに関する資金をサポートする制度 | 住宅手当、社員寮など |
働き方 | 多様な勤務時間や働き方をサポートする制度 | フレックスタイム制度、短時間勤務制度など |
育児・介護の両立支援 | 社員が育児・介護をしやすいよう環境を整える制度 | 社内保育園、介護費用補助など |
交通関連 | 通勤にかかる費用を補助する制度 | 通勤手当、駐車場の補助など |
法定外福利厚生については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。興味があれば以下よりご覧ください。
福利厚生を充実させると以下のメリットがあります。
福利厚生を充実させるメリット
それぞれ詳しく解説します。
福利厚生の充実は、結果として優秀な人材の採用につながりやすくなります。多くの求職者は、就職先を選ぶ際に福利厚生の内容を重視するためです。
福利厚生には、医療保険や退職金、育児支援など、経済的なサポートが含まれることが多く、生活の安定に直結します。
自分の生活スタイルや家族のニーズに合わせて働ける環境を求めている人にとっては、柔軟な勤務時間、リモートワーク、休暇制度などの福利厚生も重要です。
また、世間から知名度が低い中小企業やベンチャー企業でも、ユニークな福利厚生を導入することで社風を知ってもらえるきっかけになることもあります。
福利厚生は、人材の流出を防ぐためにも役立ちます。
福利厚生を充実させ、社員の不満やストレスを解消する制度を設けることで、働きやすい環境が整い、離職防止につながります。
例えば「現在の勤務時間では働きにくい」と思っている子育て世代に育児支援をすることで、精神的・肉体的負担を軽減して仕事に集中できる環境を整えられます。
「長く働き続けたい」と思われる職場づくりに必要なのが、福利厚生の力です。
福利厚生の取り組みは、従業員の働くモチベーションと生産性を上げることにもつながります。
例えば「格安でおいしい社員食堂」や「提携飲食店での割引」など飲食の提供により、従業員同士でのコミュニケーションを活性化させ、リフレッシュの機会を生み出す効果があります。
ほかにも書籍の購入補助や資格支援は、成長意欲の高い従業員にとってうれしい制度です。
このような取り組みにより、従業員の仕事への意欲が高まり、企業への貢献が期待できます。
福利厚生の充実は、社会的な信用を高めることでもあります。
なぜなら「社員を大切にしている会社」「福利厚生にリソースをかけるだけの余裕がある会社」として認識されるからです。
「福利厚生が充実している」などの評判は、取引先や顧客からの信頼にもつながり、ビジネスチャンスの拡大にも寄与します。
福利厚生にかかる費用は、以下の条件を満たせば経費として処理できます。
参考:国税局
そのため、給与として社員に渡すよりも節税効果が期待できます。
福利厚生導入のデメリットは以下の3つです。
福利厚生導入のデメリット
それぞれの項目ごとに詳しく解説します。
福利厚生を導入・運用するには、当然コストが発生します。
では、福利厚生費用は一般的にどのくらいかかるものなのでしょうか。
日本経済団体連合会の調査によれば、2019年度の企業の福利厚生費は、平均で社員1人あたり月額108,517円負担していることがわかりました。このうち、法定外福利厚生費は、24,125円です。
法定福利厚生は義務のため、やめることはできません。一方、法定外福利厚生費は義務ではありませんので、資金に余裕がない企業は費用を負担に感じ、諦めてしまうケースがあります。
福利厚生の導入を検討する際には、かかるコストのバランスをみて、導入を検討しましょう。
コストに加え、運営・管理面で負担がかかる点も検討すべきポイントです。
福利厚生の導入は、さまざまな業務が発生します。
もし、人手が足りない場合には、アウトソーシングサービス(業務委託)の利用を検討するのも一つの手です。
アウトソーシングサービス例
これらのサービスを利用することで、管理業務の負担を軽減できます。
福利厚生の種類によっては、すべての社員が平等に利用できるとは限らないものも出てきます。
例えば、「家族手当」「育児支援」などは対象外となる人もいるため、社員満足度にバラつきが出る、不満が発生するなどの懸念点があります。
できる限り社員のニーズに応えられるよう、さまざまな属性に配慮したり、希望する福利厚生をアンケート調査してみるなどの工夫をしましょう。
Wantedlyが2023年に実施した「働く男女500名に聞いたアンケート調査」によると、企業でよく取り入れられている人気の福利厚生は以下のとおりです。
人気の法定外福利厚生
コロナ禍以降、「健康ケア」や「家族に関わる支援」が目立つ結果となっています。
本項では、アンケート結果をもとに人気の法定外福利厚生を事例とともに紹介します。
特別休暇の福利厚生例
特別休暇とは、労働基準法で定められている有給休暇とは別に、会社独自のルールで社員に休暇を与える制度です。
休暇当日の給与支給の有無や取得日数など、企業側で規則を決められます。
なかでも勤続年数に応じて与えられる「リフレッシュ休暇」「バースデー休暇」は多くの企業が導入しているようです。
その他、以下のようなユニークな休暇を設けている事例もあります。
好きなときに1日休暇を取れるだけで、社員のモチベーションアップや気分転換が期待でき、社員の離職防止へとつながるのが魅力です。
同時に、社風や文化を伝えられるため、PRや人材確保といったメリットもあります。
住宅関連の福利厚生例
社員の住まいに関するサポートをするのが、住宅関連の福利厚生です。
住宅関連の福利厚生では家賃の一部を補助したり、格安で住める社宅を提供したりします。
2社の事例を紹介します。
金銭的負担を軽くするため、社員に喜ばれやすい福利厚生です。
医療・健康の福利厚生例
医療・健康の福利厚生には、社員の健康面のサポートや、医療関連施設の利用に関する制度などがあります。
コロナ禍以降、健康経営への関心がさらに高まっており、その考えが福利厚生にも現れています。
以下は、外部サービスを利用した事例です。
健康の維持・推進サポートは、一朝一夕で変わるものではありません。長い目でみて根気よく取り組んでいきましょう。
慶弔支援の福利厚生例
結婚や出産など、お祝いごとや不幸があった際に会社から祝い金や見舞金が支払われるのが慶弔支援制度です。
金銭的・精神的に負担となるライフイベントで、経済的な支援をおこなうことで社員を親身にサポートできます。
慶弔支援を通して、会社と社員のつながりを深める効果が期待できます。
ファミリーサポートの福利厚生例
ファミリーサポートは、家族に対する全般的なサポートをする福利厚生です。
家族が安心して暮らすための手当や補助金、社員と家族の関係を良好に保つための休暇が含まれます。
2つの事例を紹介します。
このような家族の身に何か起きた際のサポートは、核家族化や共働き世帯が増加している現代においてニーズの高い福利厚生です。
ユニークでおもしろい福利厚生の事例5選
福利厚生は企業でオリジナルの内容を作れるため、なかにはユニークでおもしろい福利厚生を導入している企業もあります。
ここでは、他社ではなかなか見かけない珍しい福利厚生を紹介します。
出典:株式会社カヤック
Webプロモーションやゲーム・エンタメ業を営む株式会社カヤックには、「サイコロ給」という給料が増える制度があります。
毎月サイコロをふり、「月給×(サイコロの出目)%」が給与にプラスされます。
サイコロは社員自らがふっており、どのくらい給与が増えるかは完全に運頼りです。
「他者(人事)の評価を気にしすぎず、たまには運に任せてみるのも良いのでは」といった考えが、サイコロ給導入のきっかけとなったようです。
PR事業を中心に展開する株式会社サニーサイドアップは、「MVT表彰」制度という福利厚生があります。
「たのしいさわぎをおこしたい」を体現したメンバーを表彰する制度で、選ばれたメンバーにはボーナスを贈呈しています。良い意味で目立った社員を褒めたたえる制度です。
株式会社サニーサイドアップはユニークな福利厚生がとにかく多く、計32個の独自制度を福利厚生として採用しています。
出典:株式会社ジークレスト
ゲーム・エンタメコンテンツを制作する株式会社ジークレストでは、「推しメン休暇制度」があります。
アニメ・漫画などの推しメンの記念日を祝うために、休暇をとれる制度です。活動資金として、会社から5,000円の補助もあります。
キャラクター愛にあふれるこの制度は、キャラクターコンテンツを作る企業にぴったりの制度ではないでしょうか。
出典:まくら株式会社
寝具・睡眠グッズの企画開発・販売を手がけるまくら株式会社には、昼寝を推奨する「おひるねタイム制度」という福利厚生があります。
作業効率や正確性が低下するとされる時間帯の業務効率改善のために導入されました。昼寝を邪魔しないよう「おひるねタイム」中のスタッフには、声をかけないルールも設けられています。
また、社員に自社商品の枕を自由に使ってもらうことで、新たな販売戦略や商品企画の発案につなげる狙いもあります。
出典:パスクリエイト株式会社
婚活サービスの比較メディアなどを運営する、パスクリエイト株式会社のユニークな福利厚生が「早起きは1,000円の得」制度です。
出社時間に応じて特別手当が支給されるもので、始業時間の1時間以上前に出社した人は500円/日、2時間以上前に出社した人は1,000円/日が支給されます。
早起きによるリズムのある生活習慣や、自主的な業務推進を応援したい想いから導入されました。
わかりやすくキャッチーな名前が話題となり、過去にTVでも紹介されています。
ここで紹介した以外にもユニークな福利厚生は多くの種類があるため、気になる場合は以下の記事をご覧ください。
福利厚生を導入する前に、注意すべき点をふまえておかないと社員の不満を高めてしまう結果になりかねません。
そこで、本項では福利厚生制度を導入する際の注意点を解説します。
福利厚生制度を導入する際の注意点
注意点は3つあります。それぞれみていきましょう。
まず考えたいのが「社員に使ってもらえるかどうか」です。一見良さそうな制度に見えても、自社の社員に利用されない福利厚生には導入の意味がありません。
内容を考える際には、事前に社員へのアンケートを取るなどして、自社の社員の意見・ニーズをヒアリングしてから導入を検討することが重要です。
また、福利厚生は平等性も重要なポイントといえます。
「既婚者だけ」「女性だけ」など限られた人のみが得をする制度の場合、他の社員の不満が出ることがあるからです。
対策として他の属性へ向けた福利厚生も考えるなど、なるべく偏りがないように配慮しましょう。
福利厚生を導入したら、すぐに社員に周知しましょう。導入目的・具体的内容・利用方法などを詳しくアピールし、利用率を上げるためです。
また、求職者へ周知すれば、企業PRへとつながることがあります。福利厚生の内容、利用実績や社員の声などとともに採用ページに載せておきましょう。
独自性のある福利厚生であれば、話題になり自社を知ってもらうきっかけにもなります。
福利厚生は、使われていなければ社員のためになっているとはいえません。
導入したら終わりではなく、社員の利用率や利用状況など社員の声を確認し、ブラッシュアップすることが重要です。
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福利厚生は給与以外の報酬やサービスを提供することで、社員が働く企業を選ぶうえで重視する項目でもあります。
法定福利厚生は法律で導入が決められていますが、法定外福利厚生は企業が独自に内容を工夫できます。
法定外福利厚生では特別休暇や、住宅関連・医療健康などライフサポート分野が人気です。
自社ならではの魅力的な制度や手当を検討し、社員のモチベーションアップに福利厚生を活用しましょう。
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