グループインタビューは、消費者のニーズを掘り起こしたりトレンドを理解したりするのに適したリサーチ方法です。
しかし、グループインタビューならではのデメリットも存在するため、注意点を理解しつつ正しい手順に沿って実施することが大切です。
本記事では、グループインタビューに関する下記の内容を紹介します。
消費者の生の声を商品開発・マーケティング施策などに活かしたい方は、ぜひ最後までご一読ください。
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目次 []
グループインタビューは、複数の参加者が一つのグループを作り、共通のテーマや課題について自由に議論してもらう調査方法です。
グループインタビューでは、モデレーター(進行役)が参加者に質問しながら会話を進めるのが一般的です。
通常、調査対象者を4~8人程度集めて一つのグループが形成されます。
そして、座談会のような形式をとりながら特定のテーマについて自由に発言してもらうことで、参加者の考えや本音を収集することが可能です。
モデレーターがうまく会話の流れをコントロールし、適切なタイミングで質問を投げかけることで議論がさらに活発化します。
グループインタビューは、主に下記のような目的で活用されます。
グループインタビューの主な目的
グループインタビューでは、参加者同士の自由な意見交換により、多様な視点での意見・感想を得られる点が大きな魅力です。
そして、それらの参加者の声を商品開発やマーケティング施策に活かすことで、消費者ニーズに沿ったビジネス展開がしやすくなります。
グループインタビューとよく似た調査方法に、デプスインタビューがあります。
デプスインタビューとは、インタビュアーと対象者が1対1で対話をおこない、生活実態や購買行動などを深堀りする調査です。
グループインタビューとデプスインタビューには、下記のような違いがあります。
グループインタビュー | デプスインタビュー | |
---|---|---|
特徴 | 短時間で大勢の意見を収集できる | 個別の意見を深く掘り下げられる |
対象者数 | 4~8人程度 | 1人 |
時間 | 60分~120分程度 | 30分~90分程度 |
効果的な活用シーン | 複数の人々の意見や反応を同時に把握したい場合 | 個別の意見や感情を深く理解したい場合 |
グループインタビューとデプスインタビューのどちらを選択すべきかは、調査の目的や対象となるデータの性質によって異なります。
例えば、お金や病気にまつわる話などセンシティブな情報を集める場合、グループインタビューは不向きです。
なぜなら、他の参加者の前だとお金や病気に関する詳しい話をしたがらない人もいるからです。
センシティブな内容を深掘りするなら、個別の意見や感情を深く聞き出しやすいデプスインタビューが向いています。
デプスインタビューの詳細は、下記の記事で解説しているのでぜひ参考にしてください。
グループインタビューのメリットは、主に次の4つです。
グループインタビューの4つのメリット
グループインタビューならではのメリットを、詳しく見ていきましょう。
従来のアンケート記入式の調査は、事前に回答の枠組みが設定されていることもあり、消費者の本音を拾いにくい側面があります。
消費者が発する感想の意図を深掘ったり、参加者同士の自由な議論を求めたりする場合、アンケート記入式の調査は不向きです。
一方で、グループインタビューは、テーマや課題について参加者同士が自由に議論できる場です。
この自由な発言の場を提供することで、消費者は自分の本音や考えを表現しやすくなります。
また複数人で議論していると、他の参加者の発言が刺激になり、自分自身の本音を自然と口にするケースもあります。
このように、グループインタビューは消費者の本音を拾いやすい調査方法です。
繰り返しお伝えしてきたように、グループインタビューは参加者同士で自由に議論できる点が大きな特徴です。
そして、他の人の意見に共感したり反発したりすることで、参加者は今までと違った思考や意見を思いつくことがあります。
グループ内での活発な議論や参加者同士の相互作用により、個別のインタビューでは得られなかった深い洞察を得られる可能性があります。
グループインタビューでは、属性ごとにグループを分けて複数のグループでインタビューを実施するケースが一般的です。
例えば、下記のように属性を分けることで、グループごとの違いを分析できます。
そして「A商品は40代・主婦に人気がありそうだから、40代の主婦向けに広告を配信してみよう」といった具体で、分析結果をマーケティング施策に活かせます。
グループインタビューは複数の参加者が同じ時間帯に集まって議論するため、一度に複数の意見を収集できます。
また、1対1のインタビューを繰り返すとなると、その都度準備が必要になりますが、グループインタビューの場合は一度の準備で複数人を集められます。
これらにより、1対1でインタビューするよりも効率的に多角的な情報を得ることが可能です。
グループインタビューはメリットの多い調査方法ですが、下記2つのデメリット・注意点も存在します。
グループインタビューの2つのデメリット・注意点
デメリットの回避策もお伝えしますので、ぜひご一読ください。
グループインタビューでは、複数の参加者から上手に意見を引き出すための「モデレーターの技量」が問われます。
モデレーターの技量により、グループインタビューの出来も左右されるということです。
例えば、モデレーターには下記に挙げるような「場の見極め」や「場を仕切る能力」が求められます。
また、参加者が緊張している際はアイスブレイク(参加者の緊張をほぐすコミュニケーション方法)を使うなど、参加者の本音を引き出せる雰囲気作りも大切です。
このようにモデレーターは重要な役割を担うため、グループインタビューの経験が豊富な人物を起用するのが望ましいです。
グループインタビューは参加者が多いので、参加者同士のスケジュールを調整するのが困難です。
たとえ日程が合ったとしても、直前キャンセルや当日に欠席が出るケースもあります。
そのため、欠席やキャンセルを減らすための対策も重要です。
例えば、インタビュー前に参加者へリマインドや確認の連絡を送ることも一つの手です。
また、オンラインインタビューを選択すると、移動の負担がなくなるため参加率の向上を期待できます。
ほかにも、参加者に対して「謝礼」を提供することで、参加のモチベーションを高められます。
インタビュー謝礼の相場が気になる方は、下記の記事をご覧ください。
グループインタビューは、幅広い年代や性別の人が対象になり得ます。
そのなかで、すべての人に喜んでもらえる謝礼を選ぶのは難しいものです。
また、参加者に合わせた謝礼を毎回考えるとなると、企業担当者には時間や手間がかかってしまいます。
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グループインタビューを成功させ続けるためには、インタビュー当日はもちろんのこと事前準備や実施後の分析も大切です。
そこで本章では、グループインタビューの実施手順を下記の5ステップで紹介します。
グループインタビューの実施手順
最初に実施すべきなのは、グループインタビューの目的や解決したい課題を明確にすることです。
なぜなら、目的・課題によって調査対象者やインタビュー当日に質問する内容が大きく変わってくるからです。
目的・課題から逆算して事前準備や当日のインタビューを進めることで、参加者に求める意見や視点が明確になり、有益な議論が生まれやすくなります。
続いて、グループインタビューの対象者をスクリーニングします。
スクリーニングとは、企画内容に沿って調査対象者を選定することです。
調査の精度と参加者の適合性を良くするために、スクリーニングの実施は欠かせません。
スクリーニングの主な方法は、下記のとおりです。
スクリーニングの方法
スクリーニングは通常、Webでのアンケート形式でおこなわれます。
調査の目的やテーマに合わせて、参加者に求める条件(例:年齢、性別、職業、居住地、趣味、購買行動など)を明確に設定しましょう。
属性ごとにグループを分けることで、似たような境遇・価値観を持った人同士、より深い議論を期待できます。
その後、スクリーニング調査の結果に基づいて、条件を満たす対象者を選定します。
グループインタビューはやり直しがきかないので、事前準備がとても大切です。
まずは下準備として、インタビューフローを作成します。
インタビューフローの作成時は、次のように質問内容を整理しましょう。
質問内容を整理する際のポイント
質問の優先順位を明確にしておくことで、モデレーターが時間や状況に合わせて柔軟に対応しやすくなります。
またオフラインの場合、インタビュー会場も忘れずに用意しておきましょう。
続いて、ステップ3で作成した「インタビューフロー」をもとにグループインタビューを実施します。
グループ数が多い場合は、数日に分けて実施するのも一つの手です。
インタビューが終わったら、モデレーターや関係者でデブリーフィング(振り返りと意見交換)を実施しましょう。
デブリーフィングは基本的にグループごとにおこなわれ、インタビュー結果の要点が共有されます。
インタビューフローに追加・変更が必要な場合は、次のグループインタビューのために反映させましょう。
そうすることで、参加者同士のコミュニケーションを促進し、より価値のある情報を収集しやすくなります。
グループインタビューのあとは、参加者の発言内容をまとめた発言録を作成しましょう。
そして、デブリーフィングや発言録の内容をもとに分析をおこないます。
さらに、後から見てもわかるようにインタビューレポートを作成することで、次回以降に活かせます。
得られた知見やアイデアを整理し、調査の結果を示してグループインタビューは終了です。
グループインタビューを成功させるためには、モデレーターや参加者の協力が欠かせません。
グループインタビューに参加してもらったあとは、感謝の気持ちとして「謝礼」をお渡ししてはいかがでしょうか。
その際は、幅広い年齢層の方に喜んでもらえる「デジタルギフト」がおすすめです。
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贈る側は謝礼を選ぶ手間を省けたり、在庫を抱えるリスクを避けたりできる点が大きな魅力です。
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