近年、新型コロナウイルス感染拡大にともなう行動制限の緩和が進められる一方で、物価高騰が続いています。
生活を取り巻くさまざまな環境が変化するなかで、消費者の貯蓄や消費行動にはどのような影響が起きているのでしょうか。
そこで当サイトでは、全国の消費者を対象に「貯蓄と消費」に関する意識調査をおこないました。本記事では、その結果を紹介します。
11,096名に聞いた「貯蓄と消費」に関する意識調査
なお今回の調査結果は、下記のボタンからもダウンロードいただけます。資料は無料ですので、お気軽にご活用ください。
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前年(2022年)と比べると、今年は新型コロナウイルスの感染法行動制限の緩和が進められました。一方で、物価は上昇しています。
このような生活環境のなかで、消費者の「貯蓄や消費に関する意識」はどのような変化が生まれているのでしょうか。以下にてアンケート結果を紹介します。
下記は、前年と比べて貯蓄額が増減したかを聞いたグラフです。
全体として「変わらない」が多いものの、「貯蓄額が増えた人」と「貯蓄額が減少した人」を比較してみると、後者のほうが多くいました。
「かなり減った」「やや減った」を合わせると全体の27.4%です。
「かなり増えた」と「かなり減った」の比較では、後者が5倍近くいる結果となり、大きな差が見えます。
続いて、前年と比較した支出額の変化を聞いた結果です。
支出額の変化を見てみると、支出額が「かなり増えた」「やや増えた」人の割合は、「やや減った」「かなり減った」人より5倍以上いました。
以上から、前年と比較して貯蓄額が減少した人が多い一因として、支出額が増加傾向にあることが考えられます。
下記は、支出額が増えた具体的なジャンルを聞いた結果です。
前年と比べて支出額が増えたカテゴリは、以下の2つが多くを占めました。
グラフからわかるとおり、圧倒的に「食費」が多く、昨今の値上げラッシュの影響があると考えられます。
また、変動費のなかでは「交際費」や「家外娯楽」の支出額が増加したという回答が見られました。これについては、規制されていた行動制限の緩和によって、旅行やレジャーに出かけることが増えたと推測できます。
帝国データバンクの調査によると、2023年に入ってから値上げされた飲食料品の数は7月現在で3万品目を超えました。
このような値上げラッシュの影響で、消費者の「節約に対する意識」はどのように変化しているのかを調査しました。
最初に、節約に対する意識を調査しました。下記はその回答をまとめたものです。
全体の70%近くが「意識するようになった」と回答しました。これにより、多くの消費者の節約意識が高まっていることが伺えます。
次に、特に支出額を抑えているジャンルや節約意識の高いカテゴリを聞いてみました。
節約を意識しているカテゴリの上位2つは以下です。
前述の支出額が増加したカテゴリと同じ「食費」と「日用品費」が多く挙げられていました。
このことから、物価高騰などにより支出が増えてしまった分をうまく節約しようと努めている人が多いことが伺えます。
次のグラフは「今後より積極的に節約していく気持ちがありますか」と聞いた結果をまとめたものです。
全体の約80%の人が「今後より積極的に貯蓄・節約をしたい気持ちがある」と回答しました。
以上の結果から、前年に比べて貯蓄額が減少し、支出額が増加したと実感する人が多くを占めており、全体的に貯蓄・節約への意識が高まっている傾向にあります。
気になるけれどリアルではなかなか聞けない、他の人の貯蓄状況。今回の調査では、1万人以上の現在の貯蓄状況についての本音を聞きました。
「毎月固定額の貯蓄をしているか」を調査しました。下記はその回答をまとめたものです。
調査では、全体の約30%が「毎月固定額を貯蓄している」と回答しました。
続いて、世帯年収別に見ていきましょう。
世帯年収別で比較すると、世帯年収が高いほど毎月固定額を貯蓄している割合が多い傾向にあります。
次に、投資に関する税制優遇制度を利用しているかを調査しました。
税制優遇制度とは、投資で得た利益に対して税金がかからないという制度です。代表的なものには、「つみたてNISA」や「iDeCo」があります。
投資に関する税制優遇制度は、全体の約20%が利用していると回答しました。
こちらも、世帯年収別に見ていきましょう。
固定額の貯蓄アンケートと同様、世帯年収が高いほど投資に関する税制優遇制度を利用している割合が多い傾向にあることがわかります。
キャッシュレス決済とポイントサービスの利用状況と関連性についてまとめます。
下記は、キャッシュレス決済の利用頻度を聞いたグラフです。
日常の支払い手段としてキャッシュレス決済を使っている方は、半数以上という結果になりました。「よく使っている」「たまに使っている」を合わせると全体の60%を超えています。
次に、世代別に見ていきましょう。
世代別で比較すると、60代以上を除き、年齢が高まるほど「よく使っている」割合が多いことがわかりました。
続いて、世帯年収別ではどのような変化があるのでしょうか。
世帯年収別で比較すると、世帯年収が高いほどキャッシュレス決済を利用していました。
ここでは、ポイントサービスの利用状況を見ていきます。
下記は、商品やサービスを購入する際に「ポイントを貯めているか」について聞き、キャッシュレス決済の利用との関連性について調査した結果です。
結果、ポイントを「積極的に貯めている」人ほど、キャッシュレス決済を「よく使っている」ことが判明しました。
キャッシュレス決済の各種サービスでは、さまざまなポイントプログラムがあるため、それらを上手に活用してポイントを貯めている人が多い傾向にあります。
調査結果まとめ
消費者の行動傾向を知ることは、消費者の好みや関心、行動の理解につながるため、マーケティングにおいても重要です。行動傾向からユーザーのニーズをつかみ、施策へと役立ててください。
なお、本記事でも紹介した調査レポートの全文を無料で配布しています。以下のボタンよりお気軽にダウンロードください。
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