宿泊業界では、OTA(宿泊予約サイト)経由の予約が主流となり、送客手数料の負担を抑えるためにも、公式サイトからの直販比率をいかに高めるかが重要な経営課題になっています。
多くの施設が最安値保証や公式サイト限定の特典を用意していますが、それでも予約の主導権はOTAが握り続けているのが実態です。
ユーザーはなぜ公式サイトではなくOTAを選ぶのでしょうか。そして、どのような特典であれば、公式サイトからの予約に踏み切るのでしょうか。
デジコでは、直近1年以内に有料宿泊施設を自分で予約して宿泊し、予約に最も頻繁に利用する手段として宿泊予約サイトを挙げた全国の20~60代の男女316名を対象に、「宿泊予約の利用実態と特典に関する意識調査」を実施しました。
本記事では、直販化を阻む要因と、予約チャネルの切り替えを後押しする特典の条件をくわしく解説していきます。自社の直販促進施策を設計するうえでのヒントになるはずです。ぜひご覧ください。
Webアンケート方式で316名に聞いた「宿泊予約の利用実態と特典」に関する調査
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まず、宿泊予約に利用する手段からみていきます。
事前調査で「直近1年以内に、自分で宿泊施設を予約した」と回答した585名に、最も頻繁に利用する手段を尋ねたところ、「宿泊予約サイト」が67.7%と、「宿泊施設の公式サイト」の24.9%を大きく上回りました。

利用率の差は約2.7倍にのぼり、予約の入り口は利便性の高いOTAに大きく集中しています。
一方で、「宿泊施設の公式サイトをメインで利用している」と回答した146名にその理由を尋ねると、「公式サイトが一番安い(最安値保証)」が43.8%、「公式サイト限定の特典が魅力的」が38.4%と、お得感に関する回答が上位に並びました。

続いて「詳細な空き状況や情報が正確」31.5%、「施設に直接要望を伝えやすい」27.4%と、公式サイトならではの直接的なやり取りが生む安心感も理由に挙がっています。
最安値保証や限定特典といった公式サイトの強みは、ユーザーにも一定程度伝わっています。それでも利用率ではOTAに大きく劣るのはなぜでしょうか。
ここからは、宿泊予約サイトをメインで利用する316名を対象にした本調査の結果をもとに、公式サイトが選ばれにくい背景をユーザーの比較検討行動から読み解いていきます。

公式サイトが選ばれない主な背景は、以下の4つです。
公式サイトが選ばれない主な背景
予約前に公式サイトを確認するのはどのようなときかを尋ねたところ、「宿泊予約サイトとの価格・プラン比較」が57.9%で最多となりました。

次いで「宿泊予約サイト満室時の空室状況の確認」37.7%、「客室詳細やアメニティ、設備の詳細確認」30.7%が続きます。
一方で、この設問では全体の16.5%が「公式サイトは閲覧しない」と回答しました。
公式サイトが比較検討の候補にすら入っていない層も、一定数存在しています。
宿泊先を最終決定する際に最も信頼する情報源は、「宿泊予約サイトに掲載されている利用者のクチコミ」が46.0%で突出しました。

「宿泊施設の公式サイトに掲載されている施設情報や写真」を挙げた人は19.3%にとどまりました。
ユーザーにとって公式サイトは価格や空室を最終確認する場にとどまり、宿泊先を選ぶための情報源としてはOTAのクチコミが優位に立っています。
この構図が、比較検討の主導権をOTA側に置いたままにしています。
では、公式サイトを確認したうえで、最終的にOTAで予約する決め手は何なのでしょうか。
「予約で貯まる共通ポイントが欲しい」(32.9%)、「ポイント付与を含めるとより安く予約できる」(26.3%)、「キャンペーンでより安く予約できる」(16.8%)を合わせると76.0%でした。

実に4人に3人が、ポイントやキャンペーンによる還元を決め手に挙げています。
つまりユーザーは、表示価格ではなく、ポイント還元分を差し引いた「実質的な総支払額」で合理的に判断しているということです。
公式サイトが最安値を掲げていても、OTAのポイント還元分を上回るお得感を示せない限り、ユーザーの目には割高に映ってしまいます。
前問の「最終的にOTAで予約する最大の理由」では、全体の7.2%が「公式サイトは閲覧しない」と回答していました。
この割合を年代別に見ると、20代は12.0%と、60代の4.1%に対して約3倍にのぼります。

デジタルネイティブ世代ほど、検討から予約までをOTAのなかだけで完結させており、そもそも公式サイトとの接点自体が生まれていません。
この層を直販に呼び込むには、公式サイトへ目を向けさせる「きっかけ」の設計がいっそう重要になります。

ここからは、ユーザーを公式サイトの予約へと動かす特典に関して、具体的にみていきます。
ユーザーを公式サイトの予約へと動かす特典に関する結果
価格が同条件だった場合に公式サイト予約の後押しになる特典を尋ねると、「朝食無料・施設利用割引などの特典」50.0%、「客室の無料アップグレード」41.8%と、宿泊体験の質を高める定番特典が上位に並びました。

注目したいのは、「普段の買い物で使える共通ポイントの即時付与」が29.8%と、定番の「レイトチェックアウト(滞在延長)」24.1%や「公式サイト限定の最安値保証」22.8%を上回った点です。
特典へのニーズは、「施設内で完結する価値」だけでなく、「日常で使える汎用的な還元」へと広がりつつあります。
「すぐに使える・選べるデジタルギフト」と「次回の予約で使える、施設の独自ポイント」のどちらが魅力的かを聞いたところ、全体の68.0%が「すぐに使える・選べるデジタルギフト」を選びました。

年代別では50代が77.6%と最も高い結果です。デジタルへの抵抗が強いと思われがちな年代ほど、特定の施設に縛られる特典よりも、「すぐ・どこでも使える」汎用性を合理的に評価していることがわかります。
施設独自ポイントを選ばなかった人にその理由を尋ねると、「次回の宿泊予定が未定で、利用の見通しが立たない」が60.0%と突出し、「次回の予約時まで、特典を管理・保持し続けるのが負担」の28.4%が続きました。

施設側にとって独自ポイントは再訪を促す施策ですが、ユーザーから見れば、いつ使えるかわからないメリットを抱え続ける「負担」にもなり得ます。
だからこそ、その場で価値が確定する「即時性」と、使い道を選べる「自由度」を備えた特典が求められています。
公式サイトの予約特典が「選べるデジタルギフト(複数の交換先から選択可能)」だった場合の利用意欲を聞くと、「非常に高まる」31.0%と「やや高まる」42.7%を合わせた73.7%が、利用意欲が高まると回答しました。

「特典がある」こと自体はもちろん、使い道を自分で選べる「選択の自由度」が、公式サイト予約への強い動機付けになっています。
公式サイトの予約特典として、より魅力的だと感じる形式を聞いたところ、「金額は少額でも、その場で全員がもらえる」が59.8%と、「後日抽選で、高額な特典が当たる」の40.2%を上回りました。

不確実な高額報酬よりも、確実に手元に届く実利が支持されました。
予約チャネルをOTAから公式サイトへ切り替えてもらうには、「その場で必ずもらえる」即時付与の設計が有効です。
ここまでの結果から、ユーザーが公式サイトの予約特典に求める条件は「すぐ使える」「自分で選べる」「その場で全員がもらえる」の3つに整理できます。
ただし、この3条件を満たす特典を自社だけで運用しようとすると、ギフトを1件ずつ手配・発行する手間や、少額のインセンティブを多くの宿泊者へ配り続けるオペレーションなど、現場の負担が大きくなりがちです。
こうした運用負担を抑えながら特典を設計できるのが、法人向けのデジタルギフトサービスです。
なかでも「デジコ」は、無料のAPI連携を活用した一括配布に対応しており、1円から必要な分だけその都度発行できます。
受け取り手は最大6,000種類の交換先から使い道を自由に選べるため、今回の調査で見えた「すぐ・選べる・全員に」のニーズにそのまま応えられるのが強みです。
デジコのサービス詳細は、以下より無料でご確認いただけます。直販促進の特典設計を検討する際の材料として、ぜひご活用ください。

デジタルギフトの活用範囲は、予約特典だけにとどまりません。
公式LINEの登録ハードルを下げる要因を尋ねたところ、「即時でもらえるデジタルギフト」が50.6%で最多となり、「ドリンク無料やアメニティ等の館内サービス」49.1%が僅差で続きました。

「セール情報や限定プラン等のシークレット配信」20.9%や「LINE上でのチェックイン手続き・問い合わせ機能」13.3%を大きく上回る結果です。
デジタルギフトは、直販予約を後押しするフックであると同時に、公式LINEの友だち登録を促し、その後の情報配信や再訪の提案につなげる顧客接点の入り口としても機能します。
一度の特典施策が、継続的なコミュニケーション基盤づくりにも寄与するということです。

今回の調査から見えたのは、宿泊客が公式サイトの特典に求めているのは、宿泊体験の付加価値以上に「今すぐ」「好きな場所で」使える実利だということです。
OTAのポイント経済圏に対抗して直販比率を高めるなら、即時性と自由度を備えたデジタルギフトのような特典設計が有力な選択肢になります。
今回ご紹介した調査の詳細データは、以下のボタンから無料でダウンロードできます。
直販促進施策の検討や社内での提案資料として、ぜひご活用ください。