近年、自治体ではSNSによる情報発信やオンライン申請の整備など、住民サービスのDX(デジタル・トランスフォーメーション)が進んでいます。
一方で、子育て世帯のように日々時間に追われる層に、必要な情報や支援が十分に届いているかどうかは別の問題です。
支援策が充実していても、「知らない」「探せない」「手続きの時間がとれない」状況であれば、住民にとっての価値は半減してしまいます。
子育て世帯は、自治体の情報提供や手続き、給付の受け取りにおいて、現状どのような不便を感じているのでしょうか。
デジコでは、全国の18歳以下の子を持つ保護者300名を対象に、自治体支援に関する意識調査を実施しました。
本記事では、その調査結果を詳しく解説していきます。
Webアンケート方式で300人に聞いた子育て世帯の自治体支援に関する意識調査
なお、本記事で紹介するレポートは、以下のボタンから無料でダウンロードできます。
社内資料としてご利用いただく際にも便利ですので、ぜひご覧ください。
目次 []

近年、さまざまな自治体が公式SNSや専用アプリなどを通じて情報発信を強化していますが、その情報は本当に子育て世帯まで届いているのでしょうか。
実態を調査することで、認知や導線にまつわる課題がみえてきました。
自治体からの情報提供と子育て世帯の情報収集の実態
詳しい調査結果をみていきましょう。

自治体が運用する公式LINEなどのSNSの認知・登録状況を尋ねた結果、登録率は26.7%にとどまりました。
「知っているが登録していない」と答えた層も27.0%を占めています。
存在は把握しているものの登録していない人が一定数いることから、登録によって得られるメリットが十分に伝わっていない可能性があります。
さらに、46.3%が「存在自体を知らない」と回答しており、行政のデジタル発信そのものの認知が不足している実態も浮かび上がりました。
発信の中身を磨く以前に、「届ける入口」を住民にどう認識してもらうかが課題だといえます。
続いて、自治体の支援情報の入手経路を聞いた結果をみていきましょう。

最も多かったのは、「自治体の広報紙(37.7%)」でした。
次いで、「家族や知人からの口コミ(30.7%)」、「自治体のHP(25.0%)」が続きます。
このことから、デジタルネイティブ世代を含む子育て世帯でも、自治体情報の収集にはアナログな媒体が活用されていることがわかります。
一方、SNSは14.7%にとどまる結果でした。
さらに、約4人に1人が「情報収集できていない」と回答しています。
この結果から、必要な支援が届くべき層にリーチできていない課題が浮き彫りになりました。
以下は、自治体の支援情報を探す際にどのような不便を感じるかを聞いた結果です。

自治体の支援情報を探す際に不便なこと上位3位
この結果から、「膨大な情報のなかから自分に関係があるものを見極め、内容を理解しなくてはならない」という作業そのものが負担になっていることがうかがえます。
以上の結果から、知りたい情報へスムーズにたどり着ける導線や、「自分のことだ」と直感的に気付ける仕組みが求められているといえます。
自治体の支援情報を知らずに機会を逃してしまった経験があるかを尋ねたところ、52.7%が支援の見逃しを経験していることがわかりました。(「よくある(13.7%)」と、「たまにある(39.0%)」の合算値)

これに加えて、「そもそも支援情報をまったく把握できていない層(16.7%)」まで含めると、全体の約7割の住民が自治体の支援策を十分に活用できていないことになります。
一つひとつの支援を確実に届けるためには、こうした現状課題をふまえ、適切なタイミングで対象者にわかりやすく届ける仕組みづくりが急務だといえます。
ここまで、情報提供にまつわる課題を整理してきました。
次に、住民が実際に役所へ足を運ぶ場面での負担についてみていきましょう。
ここでは、役所での窓口手続きが、子育て世帯にとってどの程度の負担になっているかを調査しました。

行政手続きのために外出時間を確保することへの負担感を聞いたところ、全体の78.3%が「負担を感じる」と回答しています。(「非常に負担(28.0%)」と「多少負担(50.3%)」の合算値)
子育て世帯にとって、役所へ行くために時間を捻出すること自体が大きな心理的負担になっていることがわかります。
負担を感じている層について、さらに深堀っていきましょう。
回答者の自宅から役所までのアクセス状況と負担感をかけあわせて調査しました。

結果、「徒歩・自転車圏内」に住む住民でも78.8%が外出を負担と感じていることがわかりました。
これは「車・公共交通での移動が必要」な層の負担感84.2%と、わずか5.4%しか差がありません。
つまり、移動手段や物理的な距離にかかわらず、子育て世帯の大多数が窓口手続きを負担視しているという結果です。
分刻みのスケジュールで動く保護者にとって、平日の開庁時間にあわせて時間を確保することは難しい現実があります。
情報の探しにくさに加え、時間確保の難しさという物理的な制約が、役所との心理的な距離感を生んでいるといえます。

支援を受ける際のスピード感や給付の形式は、自治体によってさまざまです。
ここでは、こうした体験の質が自治体への信頼にどう影響するのかを掘り下げていきます。
住民が求める給付スピードと受け取り方法とは?
順にみていきましょう。
まずは、給付金や補助金などの申請から、実際に支援が手元に届くまでの時間について、住民の体感を調査しました。

自治体の対応を「スマートだ」と感じる給付までの期間は、「1週間以内(47.0%)」が最多です。
「24時間以内(17.0%)」と合わせると、全体の64.0%が「1週間以内」の給付スピードを期待していることがわかりました。
日頃から民間のスピード感あるデジタルサービスに触れている住民は、行政サービスにも同様の即時性を求める傾向があるといえます。
続いて、給付金の受け取り形式について調査しました。

最も支持を集めたのは「銀行振込(55.7%)」で、次いで「交換先を選べるデジタルギフト(20.0%)」と、汎用性の高い形式が続きます。
一方、自治体独自の地域通貨や現物支給、紙の商品券などはいずれも低い数値にとどまりました。
使い道が限定されるものよりも、自身のライフスタイルにあわせて活用できる形式のほうが満足度が高い傾向にあるといえます。
ただし、銀行振込には口座情報の確認といった事務作業がともなうため、前述の「1週間以内」というスピード感に応えられるとは限りません。
給付のスピードと受け取りの自由度の両立を考えると、口座登録が不要でオンライン上で完結するデジタルギフトは、有力な選択肢のひとつになり得ます。

最後に、行政のデジタル化に対する自治体の姿勢が、住民にどのような影響を与えるのかを調査しました。
子育て世帯の安心感や、街への期待につながるのかを考察していきます。
詳しくみていきましょう。
行政のデジタル化が停滞することで、街の将来への不安感が高まるかを調査しました。

「非常に感じる」と「多少感じる」を合算すると、全体の70.7%が「不安を感じる」という結果です。

行政のデジタル化の停滞は、地域全体の活力の停滞として住民に受け取られやすい側面があります。
子育て世帯にとって、行政のデジタル化への対応は単なる利便性の問題ではなく、「この街は時代にあわせて進化し続けられるか」を判断するひとつの指標になっているといえます。

「手間なく」「早く」「選べる」といったスマートな支援体験が、その街に住み続けたい気持ちにつながるかを聞きました。
その結果、全体の66.3%が「ポジティブな影響がある」と回答しています。(「大きく影響する(14.3%)」と「多少影響する(52.0%)」の合算値)

住民にとってスマートな行政対応は、単なる利便性の向上にとどまりません。
自治体への愛着や定住意欲を高めることにもつながる要素だといえます。
つまり、手続きのスマートさを追求することは、「選ばれる自治体」になるうえで重要なテーマです。

今回の調査から、子育て世帯が自治体の支援に求めているのは、単なる経済的援助にとどまらないことがわかりました。
日々の限られた時間を有効に使える、以下のようなスマートな行政体験そのものが求められているといえます。
こうした期待に応えるには、申請から届くまでの時間を短縮しつつ、受け取り方の選択肢を広げる仕組みが必要です。
給付の手段としてデジタルギフトサービスの活用は、銀行振込に代わる新たな選択肢となり得ます。
デジタルギフトは口座情報の登録が不要で、スマートフォンやパソコンから素早く受け取れるギフトです。
メールアドレス宛てに送付するだけで届くため、運用の手間がかかりにくく、住民と自治体双方の負担を軽減できるメリットがあります。
法人向けデジタルギフトサービスの「デジコ」は、API連携による自動発行など柔軟な運用に対応しています。
受け取り手が幅広いラインナップから好きなものを選べ、世代やライフスタイルが異なる住民層が活用しやすい点も特徴です。
今回紹介した調査の詳細は、以下のボタンから無料でダウンロードいただけます。
自治体の情報発信や給付業務の見直しを検討する際の参考資料として、ぜひご活用ください。