スマートフォンやキャッシュレス決済は、今や多くの人の生活に欠かせない決済方法となりつつあります。
これらのデジタル技術は、日常生活に溶け込み、かつて「デジタルに疎い」と呼ばれていたシニア層にも広がりをみせています。
そこで本記事では、「キャッシュレス決済とインターネットの利用傾向」の調査しました。調査結果を、満60歳以上のシニア層に焦点を当ててレポートします。
「キャッシュレス決済・インターネット利用」に関する調査
※調査時点(2024年7月)で満60歳以上の方を「シニア層」としています
なお今回の調査結果は、下記のボタンからもダウンロードしていただけます。
資料は無料なので、ぜひお気軽にご覧ください。
目次 []
現金を使わずに支払いができるキャッシュレス決済は、世間でどの程度普及しているのでしょうか。
ここでは、キャッシュレス決済について世代ごとの利用率やよく利用する種類をまとめます。
キャッシュレス決済の利用率
キャッシュレス決済の利用率は、全世代で高い結果となりました。調査の結果から、世代を問わず利用されていることがわかります。
特に40代以上の利用率が高く、7割以上が日常的にキャッシュレス決済を利用していました。
今回の調査では、キャッシュレス決済を以下の5種類に絞り質問しました。
利用したことのあるキャッシュレス決済の種類をたずねた結果は、次のとおりです。
調査の結果、クレジットカードとバーコード決済が多くの世代に利用されていることが分かりました。一方で、キャリア決済とデビットカードはほとんど利用されていません。
シニア層に注目してみると、クレジットカードと電子マネーをよく利用していることがわかります。特に電子マネーの利用率は、全世代でトップでした。
続いて、利用頻度の高いキャッシュレス決済の種類をたずねました。
シニア層がよく利用するキャッシュレス決済TOP3
各種類の利用頻度を世代別にみると、クレジットカードは若年層よりも中高年層で高い傾向がみられました。
シニア層は、長年馴染みのあるクレジットカードをメインとして使用していることがわかります。
次いで、バーコード決済、電子マネーが多く利用されています。
次に、キャッシュレス決済と現金の利用頻度をたずねました。
現金決済が多い世代は、30代のみです。そのほかの20代以下の若年層と40代から上の世代は、現金よりもキャッシュレス決済が主流という結果になりました。
キャッシュレス決済が、一般に広く普及しつつあることがみてとれます。
キャッシュレス決済が普及し、現金を持ち歩く機会が減っているなかで、「現金を持たずに外出できるか」を調査したところ、興味深い世代差がみられました。
若い世代ほど現金なしの外出に抵抗が少なく、年齢が上がるにつれて「非常に抵抗を感じる」割合が高いです。
特にシニア層は、全世代のなかでも突出して高く、約7割が現金なしの外出に抵抗を感じています。理由としては、長年の習慣や緊急時への不安が影響していると考えられます。
キャッシュレス決済の普及は、私たちが使う財布の形にも影響を与えています。使っている財布の形をたずねた結果は次のとおりです。
今回の調査では、若い世代ほどコンパクトな「ミニ財布・三つ折り財布」を好み、年齢が上がるにつれて「二つ折り財布」を使っていることがわかりました。
シニア層は、たとえキャッシュレス決済を利用していても、8割が「二つ折り財布」か「長財布」を使用しています。
また、長財布はどの世代でも一定の利用率がみられました。
ここで、シニア層のキャッシュレス決済の利用傾向をまとめます。
シニア層のキャッシュレス決済利用の利用傾向
今回の調査結果は、シニア層もキャッシュレス決済での支払いがメインとなりつつあることが明らかになりました。
ただし、現金なしの外出には抵抗を感じており、キャッシュレス決済と現金の両方を準備する傾向があるようです。
インターネットの利用傾向は、世代によって特徴が異なります。ここでは、各世代のデバイス選択、SNS利用、利用目的を比較しました。
シニア層の利用傾向に注目して、結果をみていきましょう。
次のグラフは、インターネットを利用する際に使うデバイスを「PC・スマートフォン・タブレット」の3つから選択してもらった結果です。
調査の結果、40代を境に傾向の違いがみられました。
40代以下の世代では、スマートフォンをメインデバイスとして使っているようです。
50代は、スマートフォンとPCの利用率がほぼ同じであり、状況に応じて使い分けていると考えられます。
一方、シニア層はスマートフォンよりもPCの利用が中心です。
このことから、シニア層は「移動中にインターネットを利用するというよりも、自宅や職場のPCで腰を据えてインターネットを利用している」と推測できます。
利用するSNSにも、世代ごとの特徴がはっきりと表れています。
今回は「Facebook・X・Instagram・TikTok」の4つのSNSに絞り、世代ごとの利用率を調査しました。
InstagramやXは、30代以下の世代の利用率が高い傾向にありました。TikTokは、20代以下の若者が突出しています。
Facebookは、他のSNSと異なり年齢が上がるにつれて利用率が高くなります。
なかでもシニア層のFacebook利用率は、36.2%と他世代と比べて圧倒的に高い数字でした。
世代によって、SNSの選び方や使い方が大きく異なることがわかります。
シニア層のインターネット利用目的上位10項目は、以下のとおりです。
インターネット利用目的TOP10
シニア層は、メールでのコミュニケーションや情報収集、オンラインショッピングなど、実用的な目的でインターネットを利用していると推測できます。
シニア層がインターネットを利用する際の特徴は、以下です。
シニア層のインターネット利用の特徴
シニア層は、インターネットを主にPCで利用し、じっくりと情報を確認する傾向があります。
メールやFacebookを通じて人とつながりつつ、日常生活に役立つ情報を集める姿が浮かび上がります。
今回は、シニア層のキャッシュレス決済・インターネット利用傾向についての調査結果をお伝えしました。
本調査から、シニア層も他の世代と同様に、キャッシュレス決済やインターネットを日常的に利用していることが明らかになりました。
また、利用方法や傾向にはシニア層独自の特徴も見受けられます。
今回の結果を、シニア層向けのマーケティングなどにぜひ活用してみてください。
なお本記事で紹介した調査結果の詳細は、以下にて無料で配布しています。もしご興味がありましたら、お気軽にダウンロードください。